健康アドバイザーとしての知見を活かし、動画制作業務に尽力。たくさんの人に健康への理解を深めてもらいたい

私たちは2007年より16年間にわたって慢性病を減らしたいと活動をしてきました。
現在、登録者数は8万人以上におよび、私たちが提唱する内臓トレーニングによる症状の改善、食事生活のアドバイス、病気や生活上の悩みに対するカウンセリングなど、毎月約1,700件の相談に対応しています。医師と連携しながら定期的に勉強会を開催して、健康アドバイザー制度を確立し、スタッフ育成に力を入れています。またSNSや動画による健康情報の配信など、さまざまな広報活動にも取り組んでいます!

今回は、健康アドバイザーの千村さんにインタビューを実施。IT化に向けて取り組んでいる事柄や、仕事のやりがいなどを伺いました。

【プロフィール】

千村 直美(ちむら なおみ):卸業の事務職を経て、株式会社都に入社。健康アドバイザーとして全国の腎臓病患者さんへの対応を行いつつ、10年以上の経験と知識を活かして動画シナリオ制作業務にも積極的に取り組んでいる。

求人情報ウェブサイト 「Wantedly(ウォンテッドリー)」の取材記事より。

より多くの患者さんが健康を取り戻すためのお手伝いをしたい

――千村さんが株式会社都に入社した理由を教えてください。

前職は雑貨の問屋で、事務のパートを行っていました。40歳を過ぎ、正社員で働ける会社を探すなかで、まずは2011年に派遣社員として株式会社都に入社しました。派遣業務の内容や条件が、自分の希望と合っていたという理由で入社を決めました。

初出社の日に人事責任者の村田が出迎えてくれたのですが、優しくフレンドリーにいろいろと教えてくれて、とても温かくて良い会社だなと感じたことを覚えています。

――入社から現在まで、どのような業務に携わってきましたか?

当時は株式会社都と内臓トレーニング協会の仕事が明確に分かれておらず、また健康アドバイザーの人数もそこまで多くなかったため、電話受付や予約の受付、発送の手伝いなど、雑務を含めてさまざまな業務に関わらせていただきました。内臓トレーニングという方法や考え方について、全く知識はありませんでしたが、アドバイザーに求められる対応力は、先輩たちの電話対応の様子を見て、経験を重ねながら自分のなかで知識を増やしていったイメージです。

現在は電話やメール、FAXでいただく、腎臓病でお悩みの方からのお問い合わせや質問に対応したり、内臓トレーニングを実践されている方が定期的に送って下さる検査結果や実践報告に対して返信する業務が中心となっています。健康アドバイザーは、ある程度、病気や内臓トレーニングについて理解していないとできない業務なので、最初は定型文を使い、実践されている方に様子伺いの文章を送ることから始めました。どの位理解しているかを確認していただきながら、先輩が「この問合せに返信を書いてみよう」と少しずつレベルアップさせてくれました。自分の書いた内容にアドバイスをもらい、修正をかけていくことを繰り返していくので、自分が病気や内臓トレーニングを理解するための勉強にもなりました。

そのほかにも、最近は特に動画シナリオ制作業務に注力していて、日々シナリオの作成に取り組んでいます。なぜ、動画を作成するようになったかというと、日々、内臓トレーニングの実践をされている方の対応をしていると、一人の方から繰り返し同じ質問をいただくことがあったり、複数の方たちから同じ内容の問い合わせをいただくことが多かったからです。そこで、よくいただく問い合わせや疑問について、より多くの方たちに解りやすく何度でもお伝えできる手段として、動画を作ろうと考えたのがスタートです。また、「問い合わせれば答えがもらえる」だけではなく、患者さんが自分の病気や数値について考え、自己管理をするきっかけになってもらえばという思いで取り組んでいます。

――「動画制作」に関する具体的な内容を教えてください。

そもそも当社が動画制作に力を入れている目的は、より多くの患者さんに健康に対する理解を深めてもらうためです。これまで患者さんのご質問に対して個別にお答えしてきましたが、それらの知見を活かして集約したものが、現在の動画の内容の原型となっています。

実は動画サイト自体は数年前から運用していたのですが、腎臓病の方に向けたレシピの紹介など、主に内臓トレーニングを実践している方を対象としたコンテンツが中心でした。現在は、内臓トレーニングをまだ行っていないものの、腎臓病で悩んでいる方に見ていただけるような動画を中心に制作しています。

そのなかで、私の業務は動画内容の企画やシナリオの作成を行うこと。社長や他のメンバーにも相談しながら、1本あたり3〜8分程度の動画を作っています。今後はさらに300本程度の動画を制作していくことを目標としています。

――動画制作の業務において、千村さんが工夫していることは?

私はシナリオの担当ですが、文章だけでは分かりにくい内容も、動画になると目で見ることができるので、視聴いただく方の知識レベルに合わせ、分かりやすい動画を制作するよう心がけています。長く仕事をしていると、どうしても“相手も分かっているだろう”という前提でシナリオを書いてしまいがちになるので、自分の考えに慢心しないように、文章の書き方には気を配っています。

たとえば腎臓病の場合、「クレアチニン」の数値が1つの指標となるのですが、そのような知識がなく、お医者さんから腎臓が悪いと言われただけで連絡をしてくる方がたくさんいらっしゃいます。またネットで調べた情報をすべて実践しようとする方や、食事のことばかりを気にする方など、必要のないことまでやりすぎてしまう方も多いんです。まずは腎臓病とはどういう病気なのか、そして自身の数値を見ながら改善していくことの大切さを、うまく伝えられるような動画にしたいという思いで取り組んでいます。

自分の家族の健康を守ることができた喜び

――千村さんは未経験で入社されていますが、どのように知識を習得しましたか?

病気についての知識は、医学博士であるクリニックの先生から直接学んできました。たとえば、病気や体の仕組みに関する勉強会を定期的に実施してもらったり、実践している方からの報告内容についてわからないことなどを、その都度、先生に質問しながら学べる環境があるのはありがたいことだと思います。

ただ「内臓トレーニング」という考え方については、私に限らず入社する方はみんな未経験です。けれども、先輩社員の話を参考にしたり、社長のセミナーに同席したりと、とても学びの多い環境だと思います。また、会社全体で月に1回勉強会を実施しています。こちらは体の仕組みや健康の必要性について、社会問題なども交えながらみんなでディスカッションを行うという内容です。

――日々の教育体制についてはどのように感じますか?

勉強会などはもちろんのこと、日常業務のなかでもさまざまな学びの場があることが特徴的だと感じます。

たとえば電話対応の際、返答に迷い、社長にアドバイスを求めることがあります。患者さんをお待たせしないために、そのときは簡単に答えてくださるのですが、電話が終わったあとに即席の勉強会が始まるんです。ケースに応じた考え方などを噛み砕いてお話してくれるのでとても解りやすく、社員全員で同じ思いを持って進んでいくための指針を示していただけるので、とてもありがたいと思います。

――さまざまな知識をインプットしてきたなかで、千村さんにとって特に印象に残っている出来事は?

社長のお話を通じて、「治る病気」と「治らない病気」があるという視点を得られたことが大きな気づきでした。

実は、面接の際に「家族に腎臓病や糖尿病の人はいるか?」という質問をされたのですが、そのときは特に何も意識をしていなくて。ところが、入社後いろいろな知識を得ていくうちに、腎臓が弱い家系に育ったのだということに気づいたのです。

実は、私の兄も現在透析をしています。この仕事を始めて、腎臓病は「治らない病気」だけど、透析を先延ばしにする方法があると、私は理解していましたが、兄に内臓トレーニングを勧めても「病院に通っているから大丈夫」と言われました。けれどもやはり病状が進み、透析の話が出た時、兄が私に相談してきて、それから内臓トレーニングを始めたのです。病状はかなり進んでいましたが、内臓トレーニングを実践し、食事療法を見直した結果、透析に入るまでの年数を2年延ばすことができました。残念ながら透析になりましたが、病院でも驚かれるほど現在も元気に暮らすことができています。私に知識がなければ、すぐに透析に入っていたでしょうし、元気に過ごせていないかもしれません。自分の経験が家族の役に立ったことが一番の喜びです。

患者さんの立場に立ち、メリハリを持ったコミュニケーションを意識

――健康アドバイザーとして意識していることを教えてください。

患者さんに、「自分の身体は自分で管理をする」という姿勢を崩さないようなサポートを心がけています。

具体的には、電話やメールで患者さんへの対応を行う際に、患者さんの状況によって、伝え方を工夫しています。例えば、良い取り組みや前回と比べて改善した点についてはしっかり伝えて、やる気を引き出すことを意識しています。一方、必要なことが伝わってないなと感じた時には、患者さんの立場に立ちながら何度でも伝えるなど、状況や患者さんに合わせたコミュニケーションを大切にしています。問い合わせしていただければ、数値が悪くなってしまった時には原因を一緒に考えることができますし、アドバイスを伝えることで、改めて自分の生活を振り返って修正点を見つけられる方も多いです。「自分の身体は自分で管理をする」ことができるよう、実践されている方がサポートを活用して、一緒に考え、学んでいくお手伝いができればと思っています。

――どのようなときに仕事のやりがいを感じますか?

患者さんの数値が改善されたり、体調が良くなったという報告をいただいたときにやりがいというか、「続けていて良かったな」と感じます。あとは、「病院ではこのようなことを教えてくれなかったよ」といったご意見をもらえると、私たちが取り組んでいる活動には、大変価値があるのだなと再認識できます。

実は先日、とても嬉しかったことがあって。先ほどお話しした動画サイトについて、現在は月会費500円にて運営しているのですが、あるご利用者の方が「500円じゃ安いよ。すごい情報が載っているんだから、1,000円に上げてみたら」と言ってくださったんです。動画制作に携わっている身として感動しましたし、もっとたくさんの方にそのように感じてもらえるようにならなければと、気持ちが引き締まりました。

――今後、どのような人と一緒に働きたいですか?

共通の意識を持ちながら働ける人、そして相手のことを思える人と一緒に働きたいですね。当社では、通り一編の対応ではなく、相手の置かれている状況や思いを踏まえた対応ができる人が活躍している印象です。患者さんに対しても、寄り添うだけでなく、ときに厳しいことも伝えられる姿勢を持っている方は、当社の仕事にも馴染みやすいのではないかと思います。

私も40歳を過ぎてから当社に入社しましたが、いろいろな人生経験を積み重ねてきた分、その経験を活かしながら働きやすい環境だと感じています。そして誰でも年を重ねることで、自分や家族が体調を崩したり、病気になることがありますが、この仕事はそんな時に大きく役立ちます。健康に関する知識を身につけたい方、学びながら成長したいという意欲を持った方と一緒に働けることを楽しみにしています。